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『Boseki ni tatazumu KMR』は、kito-mizukumi rouberの1作目のアルバム。
 
『Boseki ni tatazumu KMR』は、kito-mizukumi rouberの1作目のアルバム。
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{{独自研究|date=2008年7月}}
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{{出典の明記|date=2008年10月}}
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{{Infobox Album
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| Name          = ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー
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| Type          = [[スタジオ・アルバム]]
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| Artist        = [[イエロー・マジック・オーケストラ|YMO]]
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| Released      = [[1979年]][[9月25日]]
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| Recorded      = STUDIO "A"
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| Genre          = [[テクノポップ|テクノ]]<br />[[ニュー・ウェイヴ (音楽)|ニュー・ウェイヴ]]
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| Length        = 32分06秒
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| Label          = [[アルファレコード]]
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| Producer      = [[細野晴臣]]
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| Reviews        = *''[[オールミュージック|All Music Guide]]'' {{Rating-5|4.5}} [http://www.allmusic.com/album/r181170 link]
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| Chart position = *1位([[オリコンチャート|オリコン]]、LPチャート)<ref>『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、74頁。ISBN 4871310256。</ref>
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*1980年度年間[[レコード|LP]]順位1位(オリコンチャート)
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*1980年度年間総合順位2位(オリコンチャート)
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| Certification  =  *[[第22回日本レコード大賞]]<br />優秀アルバム賞
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| Last album    = [[イエロー・マジック・オーケストラ (US版)]]<br />(1979年)
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| This album    = '''ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー'''<br />([[1979年]])
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| Next album    = [[パブリック・プレッシャー]]<br />([[1980年]])
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| Misc          = {{Singles
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  | Name          = ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー
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  | Single 2 date  = [[1980年]][[6月21日]]
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  }}
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}}
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『'''ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー'''』({{en|SOLID STATE SURVIVOR}}) は、[[イエロー・マジック・オーケストラ|YMO]]の2作目のアルバム。または同アルバムに収録されている曲。
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== 背景 ==
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[[イエロー・マジック・オーケストラ (US版)|前作のA&Mミックス]]を制作した翌月から録音を開始。前アルバムを制作した勢いを維持した状態であった。[[坂本龍一]]と[[高橋幸宏]]は意識がイギリスにあったこと、高橋が自分の意見を言うようになったこともあり、[[フュージョン (音楽)|フュージョン]]やオリエンタル・[[ディスコ]]ミュージックの要素が一掃され、[[ニュー・ウェイヴ (音楽)|ニュー・ウェイヴ]]色が強くなり<ref name="YMO">[[2007年]]、『イエロー・マジック・オーケストラ』アスペクト刊より。</ref>、その点で当時のイギリスにおける音楽状況の変化が作風に現われている<ref name="wo_2003-05-12">{{Cite journal | 和書 | year=2003 | title=センター綴じ込み Special Book 歴代ミリオンセラーアルバム一挙大公開! | journal=Weekly Oricon | issue=2003/5/12-19号 | pages=2-3 | publisher=[[オリコン]]}}</ref>。
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アルバムには同バンドの代表曲である「[[テクノポリス (YMOの曲)|TECHNOPOLIS(テクノポリス)]]」「[[ライディーン (YMOの曲)|RYDEEN(ライディーン)]]」が収録されている。
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当初、アルバムタイトルは「メタマー」([[突然変異]]を意味する「Metamorphose」の造語)と付けられていた。
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== 録音 ==
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このアルバムでは初めてコンピュータによるオート・ミックスを試みている。しかし、当時は精度が悪く、録音に時間がかかりすぎたこともあり、後のアルバムでは手動のミックスに戻している。当時のトラックシートの24トラック目に「Timing Code」と書かれている曲が多いが、これはコンピュータ・ミックス用の信号のことを指している<ref name="YMO Magazine">「YMOマガジン」より。</ref>。
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=== 使用機材 ===
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*[[シーケンシャル・サーキット プロフェット5|プロフェット5]](初期版)
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*[[モーグ・シンセサイザー|モーグIII-C]]
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*[[モーグ・シンセサイザー|ミニモーグ]]
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*[[アープ (電子楽器メーカー)|アープ・オデッセイ]]
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*[[ローランド|ローランド・MC-8]]
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*ローランド・VP-330([[ヴォコーダー|ボコーダー]])
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*コルグ PS-3100
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*ポラード シンドラム Model 477(シンセドラム)
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*ULT-SOUND  DS-4・DS-4 Custom(シンセドラム)
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== リリース ==
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[[1979年]][[9月25日]]にアルファレコードより[[レコード|LPレコード]]、[[カセットテープ]]の2形態でリリースされた。 初回プレスはクリアーレコード仕様(イエロー)であった。
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本アルバムは日本において[[テクノポップ]]という一ジャンルの先駆けとなり<ref name="wo_2003-05-12" />、その後「[[YMOチルドレン]]」と呼ばれるミュージシャンたちに多大な影響を与えたが、制作当時のYMOにそのような気負いはなく、単にスタジオでの音作りを楽しんだだけのつもりだった<ref name="wo_2003-05-12" />。この頃から[[クラフトワーク]]やYMOを指して「テクノ」「テクノポップ」というキーワードが使われ始め、細野はようやく「ああ、(自分たちは)そうなんだ」と気がついたという<ref name="wo_2003-05-12" />。また本作は商業的な成功を狙っていたわけでもないため、リリース後ワールド・ツアーに出ていたYMOは、ツアー先で日本国内での本作のヒットの報を聞き驚いた。細野は「そういうことを意識しないほうが面白くできるから」とむしろ困惑したと回想している<ref name="wo_2003-05-12" />。
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== ツアー ==
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本作リリース後、[[1979年]][[10月16日]]のベニュー(ロンドン)での公演を皮切りに、全世界6都市9公演のワールド・ツアー「[[トランス・アトランティック・ツアー|YELLOW MAGIC ORCHESTRA TRANS ATLANTIC TOUR]]」を行っている。このツアーでの模様が後にライブ・アルバム『[[パブリック・プレッシャー]]』(1980年)としてリリースされている。
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== 収録曲 ==
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 +
| headline        = A面
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 +
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 +
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 +
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 +
| length1        = 4:14
 +
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 +
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 +
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 +
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 +
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 +
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 +
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 +
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}}
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 +
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| lyrics8        = クリス・モスデル
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 +
== 曲解説 ==
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=== A面 ===
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#'''[[テクノポリス (YMOの曲)|TECHNOPOLIS]]''' (テクノポリス)
 +
#:詳細は「[[テクノポリス (YMOの曲)]]」を参照。
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#'''ABSOLUTE EGO DANCE''' (アブソリュート・エゴ・ダンス)
 +
#:[[沖縄音楽]]と[[インド]][[歌謡曲|歌謡]]と[[ディスコ (音楽)|ディスコ]]の要素を取り入れた作品。リズムの跳ね方は沖縄音楽の比率を14:10と分析した結果が使われている<ref>[[2010年]][[6月12日]]Eテレ「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」での放送より。</ref>。合いの手風のヴォーカルとして[[サンディー]]が参加。
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#'''[[ライディーン (YMOの曲)|RYDEEN]]''' (雷電/ライディーン)
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#:詳細は「[[ライディーン (YMOの曲)]]」を参照。
 +
#'''CASTALIA''' (キャスタリア)
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#:速いテンポの曲が続いた後に静かに流れる、坂本のピアノを主体とした曲である。重く、落ち着いた印象のこの曲はアルバムの中でも異色の存在感を放つ。録音当初のタイトルは「サスペリア」だった<ref name="YMO Magazine" />。映画『[[惑星ソラリス]]』からインスパイアされたと言われているが、直接的には[[武満徹]]の音楽から影響を受けている<ref name="YMO"/>。作曲した動機は「彼女のため」である<ref>[[1999年]]刊「skmt坂本龍一」より</ref>。初期YMOのライヴでは1曲目に演奏されることが多く、DVD『Visual YMO:the best』やアルバム『[[ONE MORE YMO]]』にも収録されている。
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#:詳細は「[[ビハインド・ザ・マスク (曲)]]」を参照。
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#:詳細は「[[インソムニア (YMOの曲)]]」を参照。
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#'''SOLID STATE SURVIVOR''' (ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー)
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#:軽快な[[8ビート]]の曲であり、メンバーたちは「デジタル・パンク」と呼んでいた。曲の途中に聞こえる加工された声は当時細野のマネージャーをしていた日笠雅水による「みなさんこんにちわ」「みなさんこんにちわ」「みなさんさようなら」「これが最後の放送です」と発音したものや彼女の咳、およびYMOメンバーの笑い声と咳を、壊れたヘッドホーンをマイク代わりにして口を押しつけて録音したもの<ref>{{twitter status|maaco3|53854080572981248}}</ref><ref name="maaco">{{twitter status|maaco3|53855564941369344}}</ref>。このとき坂本は日笠に「原爆が爆発して地球最後の日、放送中のアナウンサーが煙が入ってきたスタジオから冷静に最後の放送だと告げるようなイメージで」と注文している<ref name="maaco" />。ベースラインは坂本によるもの{{要出典|date=2009年5月}}。シングル「TECHNOPOLIS」のB面にも収録されている。
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== スタッフ・クレジット ==
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=== イエロー・マジック・オーケストラ ===
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* '''[[坂本龍一]]''' - [[キーボード (楽器)|キーボード]]、[[声|ボイス]]
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* '''[[高橋幸宏|高橋ユキヒロ]]''' - [[ドラムセット|ドラムス]]、[[ボーカル]]
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* '''[[細野晴臣]]''' - [[ベース (弦楽器)|ベース]]、キーボード、ボイス
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=== 参加ミュージシャン ===
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* '''[[松武秀樹]]''' - コンピューター・プログラミング
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* '''[[鮎川誠]]''' - [[エレクトリックギター]](「デイ・トリッパー」、「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」)
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* '''[[サンディー]]''' - ボイス(「アブソリュート・エゴ・ダンス」)
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=== スタッフ ===
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* '''吉沢典夫''' - レコーディング・エンジニア、リミックス 
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* '''小池光夫''' - レコーディング・エンジニア
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* '''[[鋤田正義]]''' - 写真撮影
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* '''ルー・ビーチ''' - ロゴ・タイプ
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* '''[[羽良多平吉]]''' - アート・ディレクション
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* '''タケヒメ''' - スタイリスト
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* '''井浦フミコ''' - スタイリスト
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* '''ツツミマヨ''' - スタイリスト
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* '''高橋ユキヒロ''' - コスチューム・デザイン
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* '''BRICKS''' - 衣装
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* '''本多三記夫 (CLIP)''' - ヘアー
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* '''生田朗''' - レコーディング・コーディネーター
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* '''日笠雅子''' - レコーディング・コーディネーター
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* '''[[村井邦彦]]''' - エグゼクティブ・プロデューサー
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* '''[[川添象郎]]''' - エグゼクティブ・プロデューサー 
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* '''細野晴臣''' - プロデューサー
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== 認定 ==
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1980年の[[第22回日本レコード大賞]]において、優秀アルバム賞を受賞している。
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本作はオリコン集計で107.0万枚を売り上げた<ref name="wo_2003-05-12" />。[[1982年]]に[[コンパクトディスク|CD]]が発売される前のミリオンセールスアルバム([[オリコンチャート|オリコン]]集計)は、これを含めて4作品しかない<ref>そのほかは、[[井上陽水]]の『[[氷の世界 (アルバム)|氷の世界]]』、[[松山千春]]の『[[起承転結 (松山千春のアルバム)|起承転結]]』、[[寺尾聰]]の『[[Reflections]]』。</ref>。
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== リリース履歴 ==
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{|class="wikitable" style="white-space:nowrap; font-size:smaller"
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! No.
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! 日付
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! 国名
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! [[レコードレーベル|レーベル]]
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! [[規格品番]]
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! 最高順位
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! 備考
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| style="text-align:right" | 1
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| [[日本]]
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| アルファレコード
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|-
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 +
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|}
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==参考文献==
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*『イエロー・マジック・オーケストラ』アスペクト、2007年
 +
 +
==出典==
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{{Reflist}}
 +
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{{イエロー・マジック・オーケストラ}}
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[[Category:オリコン年間アルバムチャート1位作品]]
 +
[[Category:オリコンミリオンセラー達成アルバム]]

2017年11月12日 (日) 20:18時点における版

『Boseki ni tatazumu KMR』は、kito-mizukumi rouberの1作目のアルバム。 テンプレート:独自研究 テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox Albumソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』(テンプレート:En) は、YMOの2作目のアルバム。または同アルバムに収録されている曲。

背景

前作のA&Mミックスを制作した翌月から録音を開始。前アルバムを制作した勢いを維持した状態であった。坂本龍一高橋幸宏は意識がイギリスにあったこと、高橋が自分の意見を言うようになったこともあり、フュージョンやオリエンタル・ディスコミュージックの要素が一掃され、ニュー・ウェイヴ色が強くなり[1]、その点で当時のイギリスにおける音楽状況の変化が作風に現われている[2]

アルバムには同バンドの代表曲である「TECHNOPOLIS(テクノポリス)」「RYDEEN(ライディーン)」が収録されている。

当初、アルバムタイトルは「メタマー」(突然変異を意味する「Metamorphose」の造語)と付けられていた。

録音

このアルバムでは初めてコンピュータによるオート・ミックスを試みている。しかし、当時は精度が悪く、録音に時間がかかりすぎたこともあり、後のアルバムでは手動のミックスに戻している。当時のトラックシートの24トラック目に「Timing Code」と書かれている曲が多いが、これはコンピュータ・ミックス用の信号のことを指している[3]

使用機材

リリース

1979年9月25日にアルファレコードよりLPレコードカセットテープの2形態でリリースされた。 初回プレスはクリアーレコード仕様(イエロー)であった。

本アルバムは日本においてテクノポップという一ジャンルの先駆けとなり[2]、その後「YMOチルドレン」と呼ばれるミュージシャンたちに多大な影響を与えたが、制作当時のYMOにそのような気負いはなく、単にスタジオでの音作りを楽しんだだけのつもりだった[2]。この頃からクラフトワークやYMOを指して「テクノ」「テクノポップ」というキーワードが使われ始め、細野はようやく「ああ、(自分たちは)そうなんだ」と気がついたという[2]。また本作は商業的な成功を狙っていたわけでもないため、リリース後ワールド・ツアーに出ていたYMOは、ツアー先で日本国内での本作のヒットの報を聞き驚いた。細野は「そういうことを意識しないほうが面白くできるから」とむしろ困惑したと回想している[2]

ツアー

本作リリース後、1979年10月16日のベニュー(ロンドン)での公演を皮切りに、全世界6都市9公演のワールド・ツアー「YELLOW MAGIC ORCHESTRA TRANS ATLANTIC TOUR」を行っている。このツアーでの模様が後にライブ・アルバム『パブリック・プレッシャー』(1980年)としてリリースされている。

収録曲

テンプレート:Tracklist テンプレート:Tracklist

曲解説

A面

  1. TECHNOPOLIS (テクノポリス)
    詳細は「テクノポリス (YMOの曲)」を参照。
  2. ABSOLUTE EGO DANCE (アブソリュート・エゴ・ダンス)
    沖縄音楽インド歌謡ディスコの要素を取り入れた作品。リズムの跳ね方は沖縄音楽の比率を14:10と分析した結果が使われている[4]。合いの手風のヴォーカルとしてサンディーが参加。
  3. RYDEEN (雷電/ライディーン)
    詳細は「ライディーン (YMOの曲)」を参照。
  4. CASTALIA (キャスタリア)
    速いテンポの曲が続いた後に静かに流れる、坂本のピアノを主体とした曲である。重く、落ち着いた印象のこの曲はアルバムの中でも異色の存在感を放つ。録音当初のタイトルは「サスペリア」だった[3]。映画『惑星ソラリス』からインスパイアされたと言われているが、直接的には武満徹の音楽から影響を受けている[1]。作曲した動機は「彼女のため」である[5]。初期YMOのライヴでは1曲目に演奏されることが多く、DVD『Visual YMO:the best』やアルバム『ONE MORE YMO』にも収録されている。

B面

  1. BEHIND THE MASK (ビハインド・ザ・マスク)
    詳細は「ビハインド・ザ・マスク (曲)」を参照。
  2. DAY TRIPPER(デイ・トリッパー)
    ビートルズ中期のナンバーのカバーかまやつひろしがカバーしたバージョンにディーヴォの影響を受けたアレンジを行っている。ギターで鮎川誠が参加ヴォーカルは高橋のオクターブ・ユニゾンで歌った裏声をハーモナイザで機械的に加工している。高橋は気持ち悪がったが、細野が気に入っている。録音当時の鮎川は4/4拍子から5/4拍子に変わる部分で戸惑ったが、涼しい顔を作って懸命に演奏を続けたという。YMOのワールド・ツアーではかなり盛り上がる曲であった。
  3. INSOMNIA (インソムニア)
    詳細は「インソムニア (YMOの曲)」を参照。
  4. SOLID STATE SURVIVOR (ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー)
    軽快な8ビートの曲であり、メンバーたちは「デジタル・パンク」と呼んでいた。曲の途中に聞こえる加工された声は当時細野のマネージャーをしていた日笠雅水による「みなさんこんにちわ」「みなさんこんにちわ」「みなさんさようなら」「これが最後の放送です」と発音したものや彼女の咳、およびYMOメンバーの笑い声と咳を、壊れたヘッドホーンをマイク代わりにして口を押しつけて録音したもの[6][7]。このとき坂本は日笠に「原爆が爆発して地球最後の日、放送中のアナウンサーが煙が入ってきたスタジオから冷静に最後の放送だと告げるようなイメージで」と注文している[7]。ベースラインは坂本によるものテンプレート:要出典。シングル「TECHNOPOLIS」のB面にも収録されている。

スタッフ・クレジット

イエロー・マジック・オーケストラ

参加ミュージシャン

スタッフ

  • 吉沢典夫 - レコーディング・エンジニア、リミックス
  • 小池光夫 - レコーディング・エンジニア
  • 鋤田正義 - 写真撮影
  • ルー・ビーチ - ロゴ・タイプ
  • 羽良多平吉 - アート・ディレクション
  • タケヒメ - スタイリスト
  • 井浦フミコ - スタイリスト
  • ツツミマヨ - スタイリスト
  • 高橋ユキヒロ - コスチューム・デザイン
  • BRICKS - 衣装
  • 本多三記夫 (CLIP) - ヘアー
  • 生田朗 - レコーディング・コーディネーター
  • 日笠雅子 - レコーディング・コーディネーター
  • 村井邦彦 - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 川添象郎 - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 細野晴臣 - プロデューサー

認定

1980年の第22回日本レコード大賞において、優秀アルバム賞を受賞している。

本作はオリコン集計で107.0万枚を売り上げた[2]1982年CDが発売される前のミリオンセールスアルバム(オリコン集計)は、これを含めて4作品しかない[8]

リリース履歴

No. 日付 国名 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1979年9月25日 日本 アルファレコード LPCT ALR-6022 (LP)・ALR-1519 (CT) 1位
2 1982年 イギリス アルファレコード LP ALF 85664
3 1984年4月25日 日本 アルファレコード CD 38XA-2 -
4 1987年3月25日 日本 アルファレコード CD 32XA-139 -
5 1992年3月21日 日本 アルファレコード CD ALCA-288 -
6 1992年 アメリカ合衆国 Restless Records CD 7 72701-2 -
7 1994年6月29日 日本 アルファレコード CD ALCA-9039 -
8 1998年1月15日 日本 アルファレコード CD ALCA-5216 -
9 1999年9月22日 日本 東芝EMI CD TOCT-24234 - 細野晴臣監修、リマスタリング盤、ライナーノーツ:小池光夫
10 2003年1月22日 日本 ソニー・ミュージックハウス CD MHCL 205 42位 坂本龍一監修、紙ジャケット仕様
11 2004年 カナダ エピック・レコード CD EK 91850 -
12 2010年9月29日 日本 ソニー・ミュージックダイレクト ブルースペックCD MHCL-20103 109位 1999年リマスタリング音源、紙ジャケット仕様、スーパーピクチャーCD

参考文献

  • 『イエロー・マジック・オーケストラ』アスペクト、2007年

出典

テンプレート:Reflist

テンプレート:イエロー・マジック・オーケストラ テンプレート:日本レコード大賞アルバム大賞

テンプレート:オリコン週間LPチャート第1位 1980年
  1. 1.0 1.1 2007年、『イエロー・マジック・オーケストラ』アスペクト刊より。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 テンプレート:Cite journal
  3. 3.0 3.1 「YMOマガジン」より。
  4. 2010年6月12日Eテレ「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」での放送より。
  5. 1999年刊「skmt坂本龍一」より
  6. テンプレート:Twitter status
  7. 7.0 7.1 テンプレート:Twitter status
  8. そのほかは、井上陽水の『氷の世界』、松山千春の『起承転結』、寺尾聰の『Reflections』。